プログラミングでもお世話になる考え方の加法定理や乗法定理について、図を用いながら説明していきたいと思います。
式から入っていき、具体的な例を出しながら解説していきます。
加法定理と乗法定理に入る前に
二つの事象が起こる状況を加法定理と乗法定理では考えます。
そこで、排反事象と独立というキーワードがのちに出てきて間違いやすいので、ここで解説しておきます。
二つの事象が同時に起こらないことを排反事象と言います。
例えばトランプを一枚引いたときを考えます。
数字の1が出る事象と数字の5が出る事象は絶対に一緒に起こりませんね。
このように、排反事象とは同時には必ず起きないことを指します。
一方で、二つの事象があり、一つの事象がもう片方の事象に影響を及ぼさないことを独立と言います。
例えば、コイントスを2回行うとします。
最初に表が出たからといって、次に裏が出やすいということはありませんよね。
このように、独立とは前の試行が次の試行に影響を与えないことを指します。
加法定理と乗法定理
それではまずそれぞれの定理の式を見ます。
加法定理
事象AとBが排反事象のとき、AかBのいずれかが生じる確率
P(A\(\cup\)B)=P(A)+P(B)
事象AとBが排反事象でないとき、AかBのいずれかが生じる確率
P(A\(\cup\)B)=P(A)+P(B)-P(A\(\cap\)B)
乗法定理
事象AとBが独立のとき、AとBが両方とも起こる確率
P(A\(\cap\)B)=P(A)\(\times\)P(B)
次に図から見てみます。
排反事象のときはそれぞれの事象が被らないため、どちらか起こる確率は青い部分全てを足し合わせるだけになります。
排反事象でないときは、重なっている編みかけ部分がお互いの青い部分を足すだけでは余分に含まれるので、重なる部分だけ引きます。
乗法定理をベン図にして表すのは難しいので、例を出して図にしていきます。
コイントスで一回目に表がでる事象をAとし、2回目に表がでる事象をBとします。
このように前の事象Aで表か裏かに関わらず、事象Bは1/2の確率で表を出します。
まとめ
今回は確率の加法定理と乗法定理について解説しました!
排反事象と独立はよく間違えるので気をつけましょう。
そこまで複雑な内容ではないので、しっかり理解しておきましょう。