ベイズの定理がどういったものなのか、ベイズの定理の証明を出しながら理解を深めていきます。
それから、ベイズの定理を使った例題を解いていきます。
最後にベイズの定理を応用したものを紹介して終わります。
ベイズの定理とは?
まずは、ベイズの定理を説明してから証明をしていきます。
ある事象Bがあり、Bが起こる原因となるn個の排反事象\(A_{1}\),\(A_{2}\),,,\(A_{n}\)を考えていきます。
例えば事象Bをスマホをなくすにして、排反事象は泥棒にあう、記憶をなくす、どこかに落とすとします。
ベイズの定理で必要となる確率の見方を説明します。
\(A_{i}\)が原因でBが起こる確率をP(B|\(A_{i}\))と書きます。
例:泥棒が家に入ったことでスマホが盗まれる確率は20%。P(B|\(A_{1}\))=0.2
また、\(A_{i}\)が起こる確率P(\(A_{i}\))を事前確率と言います。
例:泥棒が家に入ってくる確率は5%。P(\(A_{1}\))=0.05
そして、Bが起こった時に\(A_{i}\)が原因である確率をP(\(A_{i}\)|B)と書いて事後確率と言います。
例:スマホを無くした時に泥棒が原因である確率。P(\(A_{1}\)|B)
これらの確率の組み合わせから、ベイズの定理は以下になります。
\(P(A_{i}|B)\)=\(\frac{P(A_{i})P(B|A_{i})}{\sum_{j=1}^{n}P(A_{j})P(B|A_{j})}\)
例:スマホを無くした時に泥棒が原因である確率。P(\(A_{1}\)|B)=\(\frac{P(A_{1})P(B|A_{1})}{\sum_{j=1}^{n}P(A_{j})P(B|A_{j})}\)
つまり、ベイズの定理とは、事後確率を事前確率と条件付き確率を使って求めることができるというものです。
ベイズの定理の証明
ベイズの定理は条件付き確率から考えていきます。
条件付き確率は、
\(P(A|B)\)=\(\frac{P(A \cap B)}{P(B)}\)
\(P(B|A)\)=\(\frac{P(A \cap B)}{P(A)}\)
となります。
この二つの\(P(A \cap B)\)に注目して、
\(P(A \cap B)\)=\(P(B|A)\)\(P(A)\)=\(P(A|B)\)\(P(B)\)
と書けます。
これから、
\(P(A|B)\)=\(\frac{P(B|A)P(A)}{P(B)}\)
と導き出せます!
ベイズの定理を使った問題(例題)
例題では定番?の感染症に関する事象を扱ってみます。
ある病気が突然広がり、その感染率が15%だとします。
そこで新しい検査器具を作りました。
それは、検査をした時に感染している時は100%で陽性だとわかりますが、間違って感染していない人にも5%の確率で陽性と出してしまいます。
この時に陽性と出された人は何割の人が感染しているのでしょうか?
文字だとわかりにくいので図で表してみます。
先ほど紹介したベイズの定理の事象Bは検査で陽性と出ることで、事象\(A_{1}\)を感染している人、事象\(A_{2}\)を感染していない人と捉えることができます。
P(\(A_{1}\))=0.15、P(\(A_{2}\)=0.85、P(B|\(A_{1}\))=1、P(B|\(A_{2}\))=0.05となります。
そして、ベイズの定理を使います。
\(P(A_{1}|B)\)=\(\frac{P(A_{1})P(B|A_{1})}{P(A_{1})P(B|A_{1})+P(A_{2})P(B|A_{2})}\)
=\(\frac{0.15 \times 1}{0.15 \times 1+0.85 \times 0.05}\)
=15/19.25=0.779…=0.78
つまり、この検査では約78%の人が陽性と出たら感染していることがわかりました!!
まとめ
今回はベイズの定理について、証明と例題を出して解説しました!
ちなみにですが、ベイズの定理を使ったものとして、ベイジアンフィルタと呼ばれる迷惑メールを検出するフィルタリングがあります!